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リサイクルショップFC本部からの未払金請求-静岡地裁浜松支部平成20年10月27日判決

事案の要旨

 原告は、「リサイクルショップ創庫生活館」の名称で、古物営業を行うフランチャイズチェーンを展開する会社であり、被告らとの間で、当該フランチャイズチェーンの加盟店契約(以下「本件加盟店契約」という。)を締結した。

 被告らは、いずれも九州で開業した加盟店であるところ、当初は静岡県浜松市に所在する原告本部から、毎回7万円~15万円の配送料を支払って商品を仕入れていた。そのため、被告らは、平成10年3月7日に、原告が九州物流センターを開設した以降は、店頭販売価格から50%程度(各加盟店との契約に応じた割合)を割り引いた優遇価格で、当該センターから商品を仕入れるようになった。

 ところが、平成16年10月8日以降、原告は、九州物流センターにおいて、店頭販売価格から50%程度を割り引いた優遇価格で加盟店に対して商品を販売する扱いを廃止し、その後は、販売の都度、原告本部が商品の値段を決定するという方法で加盟店向けの卸販売に応じることとした。そのため、被告らを含む九州地区の加盟店は、十分に商品を仕入れることができなくなった。

 被告らは、平成17年2月以降、原告に対するロイヤリティーの支払いを行わなかったため、原告は、被告らに対し、本件加盟店契約解除の意思表示を行ったうえ、未払いロイヤリティーの支払いを求めて本訴を提起した。(なお、被告らも、原告の債務不履行を原因として、本件加盟店契約解除の意思表示を行った。)

  他方、被告らは、原告に対し、詐欺又は情報提供義務違反による不法行為責任に基づき、支払済みロイヤリティー及び加盟料相当額の支払いを求めて反訴を提起した。

判断内容の要旨

1.本訴請求について
 本判決は、本訴請求について、被告らが、ロイヤリティーの5%相当額の支払義務のみ負うと判示し、原告のその余の請求を棄却した。
 本訴請求に関する判決内容の要旨は以下のとおりである。
原告は、本件加盟店契約に基づき、ロイヤリティーの対価として、安定的に迅速に十分な量の商品を供給する義務を負い、当該商品供給義務は、本件加盟店契約におけるロイヤリティーの中心的対価である。
 原告が、商品供給義務を履行していないこと、他方で、被告らが一定の価値を有する原告の屋号を使用し続けていたことからすると、信義則上、被告らは原告に対し、原告の屋号の使用に相当する対価を除き、ロイヤリティーの支払義務を負わないというべきである。
 そして、本件に顕れた一切の事情を考慮すると、原告の屋号の使用に相当する対価としては、本件加盟店契約のロイヤリティーの5%と認めるのが相当である。

2.反訴請求について
 本件加盟店契約締結前の原告の説明について、詐欺または情報提供義務違反による不法行為は成立しないとして、被告らの反訴請求を棄却した。 

解説

 

 


 

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