フランチャイズの歴史と現状
フランチャイズシステムの起源と、日本におけるフランチャイズシステムの現状について整理します。
フランチャイズとは
フランチャイズは、一般的には以下のように定義されます。
事業者(「フランチャイザー」と呼ぶ)が他の事業者(「フランチャイジー」と呼ぶ)との間に契約を結び、自己の商標、サービスマーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいう(社団法人日本フランチャイズチェーン協会編「フランチャイズ・ハンドブック」)。
フランチャイズの起源
フランチャイズのシステムは19世紀アメリカを起源とします。
当初は、「製品フランチャイズ」と呼ばれる、いわゆる代理店に近い形式のフランチャイズチェーンが主流であり、ミシン・自動車・ガソリンスタンドなどの業界で広がりをみせます。その後、1900年代中頃から、商品の流通網や販売ライセンスの側面を重視する伝統的なフランチャイズシステムから、店舗の運営ノウハウや経営指導の側面を加えた、前述の定義に近い「ビジネスフォーマット型」のフランチャイズが広がり始めました。
フランチャイズシステムの輸入
アメリカで大きな広がりをみせたビジネスフォーマット型のフランチャイズシステムは、1960年代に我が国にも輸入されます。
1963年にダスキンと不二家のフランチャイズ店が開店したのを皮切りに、外国資本の自由化の流れとも併さり、「ケンッタキーフライドチキン」「マクドナルド」など、多数のフランチャイズチェーンが出現し大きな成長をしていきます。
日本のフランチャイズの現状
フランチャイズ本部等によって構成される団体である日本フランチャイズチェーン協会が、毎年、日本のフランチャイズシステムの状況を調査しています。
この調査の2012年度版によれば、我が国のフランチャイズは、チェーン数で1286、店舗数で約24万5000店、売上規模で約22兆円とされています。